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「空飛ぶタイヤ」池井戸潤 ☆☆☆☆

 これも経済小説のジャンルに入るのだろうが、高杉氏や江上氏と違って、ずいぶん面白く、最後まで読めた。
 三菱自動車(小説ではホープ自動車)のトレーラーのタイヤ脱輪事故という実際にあった事件をネタに、事故を起こした赤松運送の社長(主人公)・ホープ自動車のマーケティング課長・ホープ銀行の融資係長の三者の言動によって物語は進む。三者三様の思惑が交錯し、また中小企業赤松運送とホープ財閥系企業の違いがあますところ書かれており、感心した。
 小説の手法として、弱肉強食の世界を描き、かつ弱者を主人公にして強者に挑むという手法があるが、これはまさにそれであり、それだけ読者が「がんばれ、赤松」と、赤松を応援したくなることを計算して書いてあるであろう手法にも感心した。赤松運送は取引先やメーンバンクから切られ、倒産の危機を迎えるが、「助け舟」が絶妙のタイミングで現れる点や、ホープ自動車からの1億円の口止め料を蹴る点、それに赤松が疲労困憊し、高速道路を運転中にふと死を思う点などに、読者の心をとらえて離そうとしない作者のテクニックを感じた。
 「蟷螂の斧」だけど、弱者が勝利して終る話なので、読者は十分にカタルシスを感じることができる。良質のエンタメ作品として仕上がっており、読んで、いろいろと勉強になった。作品のお勧め度は4である。
 ところでWOWWOWでこの作品がドラマ化されて、最初の1回だけ観た。しかし最初の1回だけが無料放送だけど、以降は契約しないと見れないのが残念である。赤松を仲村トオルが演じていたけど、作品のイメージからすれば「かっこ良過ぎる」。もっとオジサン臭い役者のほうが良かったんじゃないかと、感じた。
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