RSS

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す

   

灘・ラサール中の「国語」入試問題を解く

 最近、趣味と実益をかねて難関中学の「国語」の入試問題を解いている。そこで感じたことをまとめてみたい。
 その前に、そもそも「学力」とは何ぞやという私見を書く。学力とは記憶・理解・考察・表現の四つの力をいい、これは順次、難易度が上がるが、これがすべて備わったもの学力であると考える。わかりやすく書けば、覚える・わかる・考える・書くの四つの力である。この四つの力を「読書感想文」で説明しよう。読書感想文を書くためには、まずその指定された本を読まなければならないが、読むためには漢字や語句の知識が不可欠である。これが第一の「記憶」である。次に「理解」のためには、ストーリーや作品のヤマ場がわからなければならない。そして「考察」とは、面白いと感じたら、なぜ面白かったのか、どこが面白かったのか、そして作者はこの作品を通じてどんなメッセージを読者に伝えようとしているのかを考える力である。以上の段階を経て、はじめて書くという作業に移るのだが、そのためには構成をどうするかと考え、どうまとめるかも考えなければならない。そして書いてはじめて、「表現力」が問われることになる。
 しかし、国語のテストでは漢字や語句の読み書きで「記憶力」を、記述問題で「表現力」を採点するのは容易だが、理解力や考察力をはかるのは、「目に見えない」力だけに難しいと考える。だから、子どもの学力をはかる上で、「理解力」や「考察力」をどのようにして採点しようとしているのか、出題者の「苦労」が想像できる問題が、いわゆる「良い問題」だと思う。以上の観点から、ラサール・函館ラサール・灘中の今年の国語テスト問題の出題傾向を分析する。
 ラサールは五十字・八十字以内といった記述問題が多いが、難しくない。出典も俵万智の「息子の友だち・ドラえもん」という子ども向けの文章である。漢字の書き取りや慣用句の知識問題もやさしい。難しいのは、「春秋に富む」ぐらいであろう。
 それに比べて函館ラサールは本家(?)に対抗しようという意識があって、かなり難しい。前期と後期があり、しかも二日にわたって実施されるが、論説文はいずれもそこそこ骨のある文章である。ただ物語文は前期が「食堂かたつむり」と「西の魔女が死んだ」、後期が「一房の葡萄」と「佐賀のがばいばあちゃん」と、映画化もされたかなりメジャーな作品から出典している。記述問題は多くないが、考察力を問う問題はかなりの「珍問」が出ている。かなをすべて一回ずつ使った明治時代の新聞に掲載された歌の穴埋め問題があったが、これはまず小学生には無理だろう。それに熟語の穴埋め問題、例を上げれば「交×、容×、×者」の×に共通する漢字を書けといった問題は日頃から「対策」をしていないと、すぐに思いつかないだろう。正解は「易」。
 そして函館ラサールよりもさらに難しく、珍問だらけで変竹林なのが「天下」の灘中である。ここも二日に分かれてテストが行われるが、ただ課題文はそれほど難しくない。しかし設問がいやらしく、設問をよく読まないで、条件を守らずにピントのずれた答案を書くと、「この子は問題が読めていない」と見破られそうな設問が多い。それに知識を問う問題は、外来語の「スト」で終わる、アーティスト・エゴイスト・エッセイスト・スペシャリスト・ロマンチストを解答として書かせる問題が出た。これは去年も「ック」で終わる外来語としてストック・チェック・テクニック・カムバック・パニックを書かせる問題が出たから、「対策」をしていた受験生は難しくなかっただろう。また「いらいら」「もじもじ」のようにABABの文字構成の語句を書かせる問題や、四字熟語や俳句の穴埋め問題も例年どおり出題されている。そして最後が恒例の「漢字しりとり」である。去年は選択式ではなかったが、正解率がかなり低かったのか、今年は一部が選択式になった。しかし、次のような問題「A急・急①・①B・B心・心外・外②・②C・C技」とあり、①と②は(気・見・行・追・野・用)から選べ、ABCは同じ音読みという問題が小学生に解ると思いますか。正解は載せないので、お好きなだけ考えてください。この漢字しりとりは3問ある。
 しかし灘中の国語入試問題を解いて思うのは、つくづく「パターン化」されていることだ。過去はこんな問題もあった。「ましい」で終わるひらがな5文字を国語辞典に載っている順番で書け。「あさましい ① うとましい ② このましい ③ つつましい ④ ねたましい ⑤ やかましい」。この問題は解答が入手できなかったので、①いじましい、②おぞましい、③? ④なやましい ⑤のぞましい、と私が考えたけど、③がどうしても思い浮かばないので、誰かわかったら教えてほしい。
 このように灘中の出題者は下半分や一部の共通する語句を書かせる問題が大好きなので、受験生は「逆引き辞典」は必ず購入して、学習しなければならない。それに外来語辞典も購入したい。しかし出題傾向は実にパターン化しているので、「対策」を練り、訓練を詰めば攻略は「短期間」で可能である。
 ただ灘中の合格者の正解率は六・七割程度だそうである。それはそうであろう。国語を教えている私でさえ、時間をいくらかけても解けない問題が何問もあるのだから。だから塾では、こういった難問は高得点と取るための「捨て問」として扱うように指導しているらしいが、はたしてそんな「教育」が本当に子どもの学力を高めることになるのだろうかという疑念は晴れない。

後日追記:「ましい」で終わるひらがな5文字の③は、「たくましい」が正解だと、goo辞書で調べてわかった。「たのもしい」や「すさまじい」は頭に浮かんだけど、これは出てこなかった。ネットって本当に使いようでは便利だなと、再認識した。
スポンサーサイト
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す

   
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。