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13:No title by むしみず on 2009/04/22 at 00:12:54

はじめまして。
司馬遼太郎の評価、非常に興味深く読ませていただき、共感を覚える点が多々ありました。

司馬という世間で歴史小説の第一人者とされる人が、どんなものを書いているのか知りたくて、最近はじめて長編を二つ読んでみました。そこで感じたのは、司馬作品では、読者には考える自由が無いのだなということ。読者にできることは、作者の言うことを鵜呑みにして楽しむか、読むのをやめるかしか選択肢が無いように感じました。

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「初恋温泉」吉田修一 ☆☆☆

 この作品は「悪人」より先に書かれたが、私は「悪人」を読み、吉田氏の作品をもっと読みたいと考えて書店に行き、この本を購読した。この本を選んだのはタイトルと、渓流の緑鮮やかな装丁に惹かれたからである。いわゆる「ジャケット買い」である。
 帯には、「恋愛小説・二人が二人でいられる場所。温泉を訪れた五組の男女、それぞれの物語」とある。このコピーがすべてを表している。五組の男女(うち三組は夫婦)が熱海・青森・京都・那須・黒川の実在する高級旅館を訪ね、物語が展開する。展開する? ちょっと違うな、別にたいした事件が起こるわけではない。うまくいきそうで行かない男女の心の機微が、すべて男性視点で語られる。5作品の中では最初の「初恋温泉」と最後の「純情温泉」が秀逸に感じた。
 「初恋温泉」の主人公重田は初恋の女性である彩子と結婚するが、彩子から離婚を切り出される。重田はレストランオーナーとして成功し、彩子には何不自由のない暮らしを提供していた。浮気もしていない。重田にすれば、何が不満なんだという思いである。二人は熱海温泉で今後について話し合う。重田は妻の浮気を疑うが、妻からは軽蔑され、強烈な一言を浴びせられる。「幸せなときをいくらつないでも、幸せとは限らないのよ」と。女にモノを与えることが喜びだった男は、女が男とともにモノを求めることを望んでいたと知る。男と女はつくづく別の生き物なんだなと、考えさせられた。
 「純情温泉」の主人公健二は高校生である。付き合っている真希と高級旅館の露天風呂に二人で入りたいと考え、計画を練る。その計画を実現させるべく、悪戦苦闘するさまが実に生き生きと描かれていて、「こいつ、高校生のくせに生意気な」と頭の隅では思いながら、ついつい健二を応援したくなるのは、吉田氏の筆力によるものだろう。部屋でいちゃついているところを父親に見られ、(三時間もかけてやっと脱がせた制服を、真希が三十秒で身に着けていた)といった表現や、事が済んで感想を求める健二に、「男の人のからだって、硬いんだなって、そう思った」と答える真希の返事が、どちらもういういしい。温泉に着いてからの二人は……。もうこの先はネタバレになるので書かない。興味がある方は一読をお勧める。「オレの高校時代は、こんなことはなかったぞ。ええなぁ、いまどきの高校生は」というのが、偽らざる感想である。
  本作品5編を通じていえることだが、吉田氏は男女の心理描写が実にうまい。その点では大いに参考になったが、さて作品として評価した場合、この小説を読んで、読者が衝撃を受けるか、あるいは読者の人生を何か左右するようなインパクトがあるかというと、そんなものは何も感じられないので、(もっとも吉田氏もこの作品でそれを求めてはいないだろうが)、お勧め度としては3である。
 
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13:No title by むしみず on 2009/04/22 at 00:12:54

はじめまして。
司馬遼太郎の評価、非常に興味深く読ませていただき、共感を覚える点が多々ありました。

司馬という世間で歴史小説の第一人者とされる人が、どんなものを書いているのか知りたくて、最近はじめて長編を二つ読んでみました。そこで感じたのは、司馬作品では、読者には考える自由が無いのだなということ。読者にできることは、作者の言うことを鵜呑みにして楽しむか、読むのをやめるかしか選択肢が無いように感じました。

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