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52:これは by syoko on 2009/07/01 at 00:08:02 (コメント編集)

是非に読みたい作品です。
ご紹介下さったので安心して買えそうです。

53:Re: これは by 高遠信次 on 2009/07/01 at 00:36:39

読むと気が重くなるかもしれませんが、介護を完璧にこなしたい妻や、父に自分の将来の姿を垣間見て嫌悪を覚える夫の姿など、読ませどころは満載です。

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「黄落(こうらく)」佐江衆一 ☆☆☆☆

 老老介護について書いた小説である。佐江衆一氏の著作はまったく読んだことがなかったが、このテーマに興味があって読んだ。
 ジャンルは佐江氏の私小説である。執筆と講演、大学での非常勤講師を務める「私」五十九歳と、同年齢の妻、それに近くに住む九十二歳の父と、八十七歳の母がおもな登場人物である。作中に「老親老後」という作者の造語が掲載されているが、この言葉に集約されるように、還暦を間近に控え、さらに年老いた両親を抱えた男の物語である。物語は母が骨折し、入院するところから始まるが、主人公も交通事故で入院し、妻は腰痛を抱え、両親の介護はままならず、夫婦仲もおかしくなる。そんな中、母は狂ったのか夜中に父の首を絞め、さらに絶食により他界する。このため、ひとり遺された父を引き取るが、父はショートステイで知り合った老婆と「いい仲」になり、夫婦の心はささくれ立つ。そんな話である。小説の中に「救い」はない。読んでいても、かなりきつかった。
 しかし「救い」を書こうなどと、作者はつゆほども考えていないのだろう。「死んでくれたら、どんなに楽になることか」と真情を吐露し、ただ徹頭徹尾、現実を直視し、描写する。「ありのまま」を書く、ただそのことだけを念頭に書かれたものかと思われる。
 この小説を作者はどう終らせるのかと興味を抱いたが、「私」が父を乗せて車を運転し、急カーブでスピードを落とさず、わざと事故を起こして二人とも死のうかと考えるが、結局は思いとどまるところで終る。(根くらべだな。だけど、自然にまかせるほかないね)という語りが最後に加えられるが、こういうラストに作者がせざるをえなかったところからも、この老老介護を突きつけられた人間の苦悩が伺われる。
 自然描写、心情描写ともたくみな作品で、一読に値する良書である。しかし内容の重さもさることながら、文体がなじみにくく、また四人以外の人物像がはっきりしなかったのが残念なので、お勧め度は☆4つにさせていただきたい。
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52:これは by syoko on 2009/07/01 at 00:08:02 (コメント編集)

是非に読みたい作品です。
ご紹介下さったので安心して買えそうです。

53:Re: これは by 高遠信次 on 2009/07/01 at 00:36:39

読むと気が重くなるかもしれませんが、介護を完璧にこなしたい妻や、父に自分の将来の姿を垣間見て嫌悪を覚える夫の姿など、読ませどころは満載です。

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