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大雪山系で中高年登山者10人が凍死

 私事だが、大学卒業後に旅行会社に就職し、その後に独立して旅行代理店をはじめ、都合20年ほど旅行業界に籍を置いた。広島の旅行会社勤務時代には、中国四川省の四姑娘山(スークーニャンサン)へのトレッキングツアーを企画し、添乗員(ガイドではなく)として同行した。その経験を踏まえて、今回の大雪山ツアーを企画したアミューズトラベルの対応について語りたい。
 まず中高年の登山熱だが、近年とみに高まり、それに伴って遭難も増えていると聞く。お金と時間に余裕があり、体力に自信のある中高年が「山に登りたい」と考えるのは何の問題もないと思う。しかし、ツアーに参加して山に登るのは、かなりの「自己分析」が必要ではなかろうか。旅行会社はいわば「商売」としてツアーを主催するのだから、たとえ「やや上級者向き」とパンフレットに歌っても、お客様が「経験」と「健脚」を誇示すれば、参加を断ることはないだろう。今回の参加条件は、一年以内に同社の登山ツアーに参加したことがあることと、70歳以下の二条件だったが、この条件がツアーの参加条件として適正だったか再考が必要であろう。
 また昨日の中国新聞には、「中高年はキャリアの短い人が多いわりに、高い山や有名な山へのあこがれは強い」という広島県山岳連盟顧問のコメントが掲載されていたが、中高年の「高い山や有名な山のあこがれ」を、旅行会社が後押ししていることは疑いようもない。今回のツアーで亡くなられたガイドや登山者が広島在住の方だったことからも、それは伺える。広島から大雪山は遠く、なかなか個人や数名のグループでは登山を計画しないだろうが、ツアーならば、お金を払いさえすれば誰でも簡単に参加できるので、その点は便利なのだが、危険でもあると思われる。
 危険性には三点があると考えられる。一つは参加者の体力がツアーをこなす(今回は大雪山系の縦走)のに充分ではなかった場合にどう対処するか。もう一つはガイドが山のベテランであっても、ガイドとしてその山の特色を熟知していない場合がある(今回のガイド4人の中には大雪山がはじめてのガイドもいた。その理由はガイドという特殊な職業のなり手の絶対的な不足だと思われる)。さらにもう一つはガイドが「高いお金を払って、遠くから来たんだから、何とか登らせてやりたい」と考え、また参加者も「一生に一度のチャンスだろうから、少々疲れていても、悪天候でも何とか登りたい」と考え、お互いが正確な判断を誤ることである。特にGO-STOPに関して、ガイドと登山者の意見が異なる(ガイドがSTOP、登山者がGO)場合は、ガイドは登山者に押し切られる場合が多いかと思う。なぜなら、ガイドは旅行会社に雇われているが、登山者は「お客様」である。しかもガイドとお客様は「無勢に多勢」である。ここで断固としてSTOPを主張し、実行するのが本来のガイドの役割と思うが、「情」と「圧力」に負けて、判断を誤ることは少なくないであろう。
 それを防ぐには判断を現場のガイドに一任するのではなく、指揮を会社に仰いで判断させることである。会社は「安全第一」を社命としてお客様を説得すれば、お客様からクレームは上がるかもしれないが、事故を未然に防ぐことにつながり、長期的には会社の信頼度は増すであろう。
 今回の10名という貴重な犠牲を教訓とし、旅行会社・ガイド・登山者の三者がいずれも改善をはかり、このような悲惨な事故を繰り返さないように切望する。
 
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